CTO室所属の山口です。最近は新型コロナウイルス関連の暗いニュースが多いですが、共に協力してこの危機を乗り越えていきましょう。
今回は写真撮影時の技術についてご紹介いたします。普段何気なく写真を撮影する際には意識しないことですが、カメラのイメージセンサーから取得される生データをそのまま見ることは難しく、実は多くの処理が施されて初めて人間が認識可能な画像を得ることができます。その中でも「デモザイキング(demosaicing)」と呼ばれる処理についてご紹介いたします。
カメラのイメージセンサーは、明るさしか捉えることができません。人間の目のように、色を認識することはできないのです。そのため実際のカメラではカラー画像を撮影するために次のような方法がとられています。
まずカメラに入ってきた光をフィルタに通すことで、赤色・緑色・青色の明るさのいずれかをメモリ上の別々の場所に記録します。その後、別々の場所に別々の色がある画像から、足りない色を補うことで3色のカラー画像を取得します。この足りない色を補う処理のことをデモザイキングと呼びます。今回は、数あるデモザイキングの手法の中でも高速に動作するものをご紹介いたします。